• 2015.12.10
  •   アメリカ銃社会



    アメリカでの銃乱射事件は後を絶たない。




    1週間前にカリフォルニア州で起きたテロ事件。



    その後、銃の購入者が増えているという。




    今年1年だけでも、公共の施設や学校での
    銃乱射事件報道をどれだけ目にしたことか。


    ある日突然、無差別な銃乱射によって
    罪もない一般市民の命が奪われていく。



    それでもアメリカ社会から銃がなくなることはない。





    かつて私も一度だけ、護身用に
    拳銃を購入しようと思ったことがある。



    それはアメリカに住んでいた頃。



    今の生活では考えられないような、
    犯罪の多いカリフォルニア州に住んでいて、
    実際、私の回りでも危ない目に
    あった人たちは何人もいた。



    住んでいたサンディエゴでは、
    アメリカ歴史上に残る、
    マクドナルドでの銃乱射による
    大量虐殺もあった。



    ロスの大暴動の頃も、
    高速道路で無差別な乱射事件があった。




    私の友人たちの中にも、自宅に銃を
    持っている人たちもいて、
    リビングのソファーの下にライフル銃が置かれていたり、
    ベッドルームのサイドテーブルの引き出しに、
    拳銃を入れている女友だちもいた。



    通っていた大学では、レイプ事件があり、
    いくつか夜間のクラスを取っていた私は、
    キャンパス内の警備員に車まで
    護衛をお願いしたことも。




    その大学では、ある男子学生が
    早朝のフィットネスクラブで銃を乱射し、
    4人を殺害したという事件も起こっている。




    そんな環境だったので、
    今の生活からは想像できないくらい、
    神経をとがらせていた。




    車に乗ったら必ずすべてのドアに鍵をかける
    (今のように自動でロックされる時代ではないので)。




    スライド式ドアの車の横には駐車しないこと。




    暗くなってからの銀行ATMの利用はご法度。



    夜間、警察のパトカーにサイレンを鳴らされても、
    絶対に人気(ひとけ)のない場所で車を停めてはいけない。
    (警官も信用できない)


    私の友人男性は、スピード違反で捕まり、
    周りに誰もいない場所で警官に
    血尿が出るまでボコボコにされた。




    たとえ、車に後ろから追突されても、
    絶対に自分から車を降りてはいけない。



    これも例を挙げると、大学で顔見知りの女の子が、
    ある晩、停車中に後ろから追突された。


    何だろうと、車から降りて、追突してきた車に
    近づいた途端、屈強な数人の黒人男性に
    車に引きずりこまれた。


    奇跡的に一瞬のスキをついて車から逃げ出すも、
    男性たちに追いかけられ、目の前にあった
    崖から飛び降りて助かった。


    傷だらけの姿で学校に来ていたけど。



    レイプ=死と言っても過言ではない。
    小柄な彼女がよく逃げ出して生き延びたと思う。





    当時、知り合いにセレブの息子がいた。


    彼のお父さんはアメリカ合衆国連邦最高裁判所の
    裁判官をしていたという人で、レーガン大統領ともお友だち。




    海辺の、とてつもない大きな家に住み、
    大きな別荘を持っていて(親が・・・だけど)、ある時、




    「一緒に銃を撃ちに行こう。」



    と、誘われた。




    20代の頃の私は好奇心の塊で、
    なんでも自分でやってみなければ
    気が済まない若者で、銃を撃つとは
    どういうものなのかと興味津々、ついていくことにした。




    大富豪なので、自分の山に連れて行ってくれて、
    そこで初めてライフル銃と散弾銃を手にした。



    ターゲットを置いて、それを撃つ・・・というものだけど、
    素人にそんなものは撃てるわけもない。




    ライフルでは全くターゲットに当たらず、
    次に手にしたのは散弾銃。



    耳を保護するために、プロテクターを付ける。
    重すぎてとても一人で抱えられないし、
    衝撃がすごいらしいので、私の後ろには
    友人男性がピタリと構える。



    引き金を引く。




    身体が吹っ飛んだ。




    肩への衝撃と爆音のすごさで耳が聞こえない。




    銃の威力におののいた。




    後にも先にも本物の銃を撃ったのはその時だけ。




    話を戻すと、日常的に犯罪の多い社会の中で、
    自分の身を守るためにできることの選択肢として、
    護身術を学んだり、拳銃を所持する人たちが
    いることは目の当たりにしてきた。




    長い間、シェアハウスに住んでいたので、
    家の中には男性住人も何人かいて、
    侵入者におびえる・・・ということはなかったけれど、
    その後一人でアパートに住むようになり、
    いろいろと心配が増えてきた。



    そんな中、一度だけ、銃販売店へ行ったことがある。




    ケースの中からいろいろな護身用の銃を見せられ、
    女性なら、この位のサイズが使いやすいだろうと、
    小さな拳銃を勧められた。



    考えてみれば、その、「使いやすいだろう」というのは、
    つまりは対人間に使うことを想定しているわけで・・・




    その時、店員に言われた一言で、
    事の重大さに我に返った。




    「確実に、相手を殺す覚悟はある?
    それができないんだったら、
    銃は所持しないほうがいいよ。」




    覚悟があるか・・・と聞かれても、
    そんなものはあるわけない。




    じゃあなぜ、銃を購入しようなどと、
    一瞬でも思ったのか。




    「覚悟がないのなら、これにしといたほうがいい。」



    そういって勧められたのが、「メイス」、いわゆる催涙スプレー。



    私はその催涙スプレーを購入し、店を後にした。



    その後、ずっと車のキーとともに、
    催涙スプレーを携帯して外出していた。



    その催涙スプレーも、本来はすぐに
    相手に吹きかけられるように、
    スプレーの蓋を開け、ボタンの部分に指を添えて
    持ち歩きなさいってことだったけど。




    そういえば、車のサイドブレーキのところにも、
    当時のボーイフレンドに、「携帯しといたほうがいい」
    と、アーミーナイフを護身用に渡されて隠してあった。




    今のような平和な日本での生活では
    全く考えられないような日常。


    今の私は、アメリカの銃規制の遅れを
    腹立たしい思いで見ているし、
    銃には銃で対抗を・・・という考えは全くない。



    ただ、当時の若い私がアメリカ社会の中で、
    そうして身を守るために銃を購入しようと、
    一瞬でも思ったのは事実。




    人々の中にある恐怖心。

    自分の身は自分で守るという教え。




    アメリカの銃社会は根が深い。
    その利権や歴史は私たちには
    完全に理解することは難しいのだと思う。






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    嫌な感覚

    私も遠い昔、仕事で銃を扱う事が有りましたが、撃った瞬間の無機質で冷酷な感じは今でも覚えております。

    意味わかるわぁ

    下僕くん、

    そうだね。身体に感じるあの衝撃と、無機質な音。

    もう2度と触ることはないでしょう。
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    Author:My Serendipity
    英語講師

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